こぶとり爺さんは、陽気でのんき!

こぶとり爺さんって題名を聞いて小太り爺さんを連想してませんか?
いまどきコブってあまり馴染みがないような・・・・
おでこを打ち付けてタンコブができたとか、目の上のタンコブとか、昔は結構使ったんですが・・・・
ググって見ると「瘤」こぶ/皮膚が盛り上がってできた肉のかたまり/じゃまなものなどの意味をもつ漢字。という事でした。

まっそれはさておき、こぶとり爺さんのお話をしましょう。
昔々あるところに片方のホッペに大きなコブのあるお爺さんが二人 隣りどうしで住んでいました。
ひとりは、のんきで温厚なお爺さん もう片方は、乱暴で意地悪なお爺さんでした。

ある日のんきで温厚なお爺さんが森に木を切りに行くのですが、突然雨が降ってきます。
のんきなお爺さんは、「雨がやむまで雨宿りでもしとこう」と木のうろ(樹の中が腐ってできた穴)に入るのですが、いつの間にか眠ってしまいます。

夜更けになり、あたりが騒がしいので目が覚めると、なんと鬼たちが宴会をしています。
元々陽気なお爺さんは、鬼たちが楽しそうに踊っているのを観て、ついつい踊りの輪の中に入ってしまいました。
これがまた踊りが上手ときたもので、すっかり鬼たちと意気投合してしまい、やがて宴会が終わる頃になると「又明日も来るように。それまでこれを預かっておく」とホッペのコブをとってくれたのです。

それを聞いたもうひとりの意地悪なお爺さん、わしもコブをとってもらおうとその場所に出かけると、ちょうど鬼が宴会をはじめてました。
意地悪なお爺さんは、踊りなんか好きでもないし下手くそです。いやいや鬼の輪の中に入り踊るのですが、鬼たちは、すっかりしらけてしまい怒り出しました。

お爺さんは、怒り出した鬼に向かって「このコブを取って欲しい」とお願いするのですが、怒った鬼は「昨日預かっていたものを返してやるさっさと帰れ」と言ってもう片方のホッペにコブを付けられてしまいました。

意地悪なお爺さんは、両方のホッペにコブをつけて暮らしていかなければ、ならなくなってしまいました。

この話も色々なパターンがあるようですが、面白かったのは隣りのお爺さんには、コブがないというパターンです。

鬼から踊りの褒美に金銀をやると言われた陽気なお爺さんは、「金銀はいらないのでこのコブがいらないので取ってくれ」とお願いして取ってもらいます。
それを聞いた隣りのお爺さんも鬼の宴会に参加するのですが、元々コブもなく昨日のお爺さんとは別人だと鬼も知っています。
踊りもそこそこ踊れて鬼に欲しい物はなんだと聞かれ「昨日のお爺さんがいらないといったもの(金銀のつもり)」と言ったのですが、鬼が誤解してしまい「昨日のお爺さんにとっていらないものはこれか」とコブを褒美にあたえ去っていった・・・・

でした。落語のような ちょっと可哀想なような・・・・・

花咲じいさん同様 昔話によくある「となりの爺型」と呼ばれる一連のパターンですネ

人の幸せや成功を妬んで同じようにマネしたつもりが、大失敗してイタイ目にあう・・・・・
今の時代も気をつけなければいけません!

-昔話